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認知症とは

認知症とはどんな病気でしょうか?

認知症とは脳の病気

「40歳代をピークに脳細胞は1日に10万個程度死滅する」と、言われています。年を取ると、「名前が出てこない」「何しにココに来たんだっけ」などと、物忘れが多くなります。

これは、脳の老化の1つで自然の事です。物忘れしている事に自分自身気づいていますし、生活上での支障も全くありません。病気による脳の萎縮や脳血管性障害で認知症になると、体験や出来事の記憶を失ってしまいます。正常であった脳の知的な働きがいろいろな病気によって、持続的に低下した状態を言います。

認知症の症状

症状の出方は生活環境・過去の生活歴・性格などによって個人差がありますが、大きく分けて、知的能力の低下・こころの症状と行動の障害・日常生活能力の低下・身体の障害の4つの症状に分けられます。

 

  症状(用語と意味)
知的能力の低下

健忘(物忘れがひどくなる)

見当識障害(日時・場所・人などが判らなくなる)

思考障害(考える力・理解する力が低下する)

認知障害(物事を見分けて判断する力が低下する)

心の症状

夜間せん妄(夜になると興奮し言動がおかしくなる)

不眠

幻覚(聞こえないものが聞こえる。あるはずのないものが見えたりする)

妄想(有り得ない事を固く信じ込む)

抑うつ(気分が落ち込む)

行動の障害

徘徊(歩きまわる)

不眠

暴力(ささいなことで怒りだし暴力をふるう)

異食(食べられない物を口に入れる)

弄便(便をいじったりする)

日常生活能力の低下 食事、排泄、入浴、着替えなど、日常生活をしていく基本的な行動が出来なくなる。
身体の障害

歩行障害

嚥下障害(食べ物の飲み込みが悪くなる・むせたりする)

尿・便が出にくかったり、失禁したりする

 

認知症の原因はいろいろありますが、大きく分けて「アルツハイマー病」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭葉側頭葉変性症」の4つがあります。近年では、認知機能改善薬等によって認知症の進行を遅らせたり、一部治療可能なものもあります。早期に発見し、できるだけ早く治療を始めることは、ご本人やご家族がその後よりよく暮らしていくことにつながります。

病気予防・治療のためにも専門の病院を受診することをお勧めします。

老化による物忘れと、認知症による物忘れの違い

 

  老化による物忘れ 認知症による物忘れ
進行の有無 なし。

あり。

記憶障害の内容

とっさに思い出せない。

体験の一部を忘れる。

後で思い出すことあり。

記銘、記憶の獲得障害。

体験全体を忘れる。

後で思い出せない。

忘れていることの自覚

自覚あり。

補足したり謝罪する。

自覚なし。
見当識障害 伴わない。 伴うことあり。
判断力 保たれる。 障害される。
幻覚・妄想・徘徊 伴わない。 随伴することあり。
日常生活 支障がない。 障害をきたす。

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認知症ケア専門士とは、認知症ケアに対する優れた学識と高度の技術、および倫理観を備えた専門技術士で、日本認知症ケア学会が認定する資格です。当院でも、本資格を取得した看護師が2名勤務しています。

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